相続した旧耐震マンションの売り方|中野エリアの成約データと3つの選択肢

「相続したマンション、調べてみたら旧耐震だった。これって売れるの?」

中野エリアで相続の相談をいただくと、このケースは珍しくありません。中野駅エリアだけで成約の約3割が旧耐震物件というデータもあります。

結論から言うと、旧耐震でも売れます。ただし、通常の売却とは戦略がまったく違います。何も知らずに動き出すと、相場より大幅に低い価格で手放すことになりかねません。

この記事では、旧耐震マンションを相続した場合に知っておくべきことを、中野マンション俱楽部が正直にお伝えします。

この記事でわかること

  • 旧耐震マンションとは何か(1981年の境界線)
  • 中野エリアの旧耐震の売却相場(駅別データ)
  • 旧耐震が売りにくい理由(住宅ローンの問題)
  • 売却前に確認すべき3つのこと
  • 旧耐震マンションを売る3つの方法とそれぞれのメリット・デメリット
  • 相続ならではの税金の注意点

旧耐震マンションとは?1981年が境界線

「旧耐震」とは、1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物のことです。

1981年6月1日以降は「新耐震基準」が適用されました。新耐震は「震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない」ことを目標にした基準です。旧耐震はそれより緩い基準で建てられています。

旧耐震(〜1981年5月)

「震度5強程度の地震で損傷しない」ことが基準。現在の基準より揺れへの対応が弱い設計になっているものがある。

新耐震(1981年6月〜)

「震度6強〜7程度の大地震でも倒壊しない」ことが基準。住宅ローンの審査でも原則として問題ない。

築年数でいうと、2025年時点で築44年以上の建物が旧耐震にあたります。中野エリアには昭和40〜50年代築のマンションが多く残っており、相続マンションが旧耐震というケースは決して珍しくありません。

中野エリアの旧耐震マンション、実際いくらで売れている?

国土交通省の2025年成約データをもとに、新耐震との価格差を確認してみましょう。

駅名 旧耐震 中央値 新耐震 中央値 価格差 旧耐震割合
中野駅 3,700万円 9,100万円 ▲5,400万円 32.5%
東中野駅 3,950万円 約9,600万円 ▲5,650万円 約25%
中野坂上駅 約3,300万円 約7,100万円 ▲3,800万円 38.9%
新中野駅 約3,300万円 約6,400万円 ▲3,100万円 21.7%
方南町駅 3,600万円 6,900万円 ▲3,300万円 24.8%
中野新橋駅 約2,800万円 約5,300万円 ▲2,500万円 8.6%

※国土交通省「不動産取引価格情報」2025年成約データ。1R・1K除外。本データはすべての取引を網羅したものではありません。

旧耐震でも、中野エリアでは毎年数十件単位で成約しています。「売れない」のではなく、「適正価格と買い手ターゲットを変える必要がある」というのが正確な表現です。

旧耐震が売りにくい理由|住宅ローンの壁

旧耐震マンションの最大の問題は、買い手が住宅ローンを使いにくいことです。

理由 01

銀行の担保評価が低くなる

多くの金融機関は旧耐震マンションを担保として評価しにくい。融資額が下がるか、融資自体を断るケースがあります。

理由 02

フラット35が使えないことも

住宅金融支援機構のフラット35は、旧耐震マンションへの融資に「耐震基準適合証明書」が必要です。証明書が取れない物件には使えません。

理由 03

買い手が「現金購入者」に限られる

ローンが使えない分、現金で買える買い手だけが対象になります。市場に出回る買い手の数が減るため、成約に時間がかかったり価格が下がったりします。

売却前に必ず確認すべき3つのこと

旧耐震マンションを売る前に、この3つは必ず調べてください。結果によって、売り方がまったく変わります。

確認 01

耐震診断・耐震補強は済んでいるか

管理組合に「耐震診断報告書」があるか確認してください。耐震補強が完了していれば「耐震基準適合証明書」が取得できる可能性があり、住宅ローンが通りやすくなります。買い手の幅が広がり、価格も上がりやすくなります。

確認 02

ピロティ構造ではないか

1階が柱だけで駐車場になっている「ピロティ構造」は、地震の際に特に被害が出やすいとされています。金融機関の審査がさらに厳しくなるケースがあります。建物の外観を確認してください。

確認 03

修繕積立金・管理状態はどうか

旧耐震でも、管理状態がよく修繕積立金が十分に積まれているマンションは、買い手の安心感が違います。管理組合の議事録・長期修繕計画・積立金残高を確認してください。

「旧耐震でも、うちのマンションはいくらで売れる?」

築年数だけで価格を決めつけないでください。状態・管理・立地によって、実際の査定額は大きく変わります。

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旧耐震マンションを売る3つの方法

状況に応じて、3つの売り方が考えられます。それぞれのメリット・デメリットを整理しました。

方法 01

現況のまま売る(最もシンプル)

メリット

  • 手間・費用をかけずにすぐ動き出せる
  • 相続後の維持コストを早く止められる

デメリット

  • 買い手が現金購入者に限られる
  • 価格は相場より低くなりやすい

→ 早く売りたい・手間をかけたくない場合に向いています

方法 02

耐震基準適合証明書を取得して売る

メリット

  • 買い手がローンを使えるようになる
  • 成約価格が上がりやすい
  • 買い手の購入時に住宅ローン減税が適用されるため買いやすくなる

デメリット

  • 証明書を取れる物件と取れない物件がある
  • 費用(数万〜数十万円程度)と時間がかかる

→ 管理組合が耐震補強済みの場合に検討を

方法 03

不動産業者に直接買い取ってもらう

メリット

  • 買い手を探す必要がない。スピードが速い
  • 内覧対応・交渉が不要
  • ローン審査の問題がない

デメリット

  • 仲介売却より価格が2〜3割程度低くなることが多い

→ 急いでいる・手続きを簡略化したい場合に向いています

どの方法が最適かは、物件の状態・相続人の状況・売却までの余裕によって変わります。まず査定を受けて、現実的な価格帯を把握してから判断するのがおすすめです。

旧耐震×相続ならではの税金注意点

旧耐震マンションを相続して売る場合、税金面で特に気をつけてほしいことがあります。

取得費が低い場合、税負担が増える

親が何十年も前に購入した物件は、取得費(購入価格)が現在の相場より大幅に低いことがあります。売却価格との差が大きくなるため、譲渡所得税の負担が増える可能性があります。

「取得費加算の特例」は旧耐震でも使える

相続税を払っている場合は、取得費加算の特例が利用できます。旧耐震かどうかは関係ありません。相続発生から3年10ヶ月以内の売却が条件です。

売却損でも確定申告が必要なことも

旧耐震マンションは売却損になるケースもあります。その場合でも確定申告が必要なケースがあります。「損したから申告しなくていい」と思い込まないよう注意してください。

税理士への相談を早めに

旧耐震×相続×売却損という複合ケースは、適用できる特例や申告方法が複雑です。売却が決まる前の段階から税理士に相談しておくことをおすすめします。

まとめ|旧耐震でも戦略次第で売れる

  • 旧耐震(1981年以前築)は住宅ローンが使いにくく、価格は新耐震の半分以下になることも
  • ただし中野エリアでは旧耐震の成約事例が毎年多数あり、売れないわけではない
  • 耐震補強済みなら「耐震基準適合証明書」の取得でローン対象になる可能性がある
  • 現況売却・証明書取得後売却・業者買取の3択から状況に応じて選ぶ
  • 取得費加算の特例は旧耐震でも使える(3年10ヶ月の期限に注意)
  • まず査定で現実的な価格を把握してから判断する

「旧耐震だからどうせ安くしか売れない」と諦めないでほしいんです。管理状態・耐震診断の有無・立地によって、同じ旧耐震でも査定額は大きく変わります。

まずは一度、現状をお聞かせください。一緒に最適な売り方を考えます。

よくある質問

旧耐震マンションは売却に何ヶ月くらいかかりますか?

物件の状態や価格設定によりますが、現況売却の場合は買い手が現金購入者に限られるため、通常の売却より時間がかかる傾向があります。3〜6ヶ月程度を想定しておくのが現実的です。耐震基準適合証明書を取得できればローン対象になり、成約までの期間が短くなることもあります。

耐震基準適合証明書はどうやって取得しますか?

建築士が現地調査を行い、基準を満たしていれば発行されます。ただし旧耐震マンションの多くは証明書を取れないケースもあります。まず管理組合に「耐震診断・補強工事の実施状況」を確認してください。補強済みであれば取得できる可能性が高まります。費用は数万円〜数十万円程度が目安です。

旧耐震でも住宅ローン減税は使えますか?

原則として旧耐震マンションは住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の対象外です。ただし「耐震基準適合証明書」または「既存住宅売買瑕疵保険」の加入があれば対象になります。買い手にとってもメリットが大きいため、証明書が取れる物件は売りやすくなります。

旧耐震マンションを相続放棄することはできますか?

相続放棄自体は可能ですが、相続発生を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。ただし相続放棄すると、そのマンションだけでなく他の財産(預貯金など)もすべて放棄することになります。「マンションだけ放棄する」はできません。放棄を検討する場合は弁護士に相談してください。

旧耐震マンションをリフォームして売ると高くなりますか?

内装リフォームで売却価格が上がることはあります。ただし旧耐震の最大の問題はローンの壁であり、リフォームしてもその問題は解決しません。リフォーム費用をかけるより、現況売却で適正価格を設定する方が手取り額が多くなるケースも少なくありません。まず査定を受けてから判断することをおすすめします。

旧耐震でも中野マンション俱楽部に相談できますか?

もちろんです。旧耐震物件の売却相談は多くいただいています。「売れるか不安」「いくらになるかわからない」という段階からご相談を受け付けています。中野エリア18年の実績をもとに、正直な査定と売り方のご提案をします。

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