「親のマンション、どうしよう」
相続が発生したとき、多くの方がこの言葉をひとり心の中でつぶやきます。悲しみの最中に、不動産の手続きまで迫られる。本当に大変だと思います。
でも、急いで決めなくて大丈夫です。
「売る・貸す・住む」——どれが正解かは、家族の状況によって全然違います。このページでは、中野エリアで18年間マンションの売買に携わってきた私たちが、3つの選択肢をフラットに比べてご説明します。
「まだ何も決めていない」という方こそ、ぜひ読んでみてください。
この記事でわかること
- 動く前に確認すべき3つのこと
- 「売る・貸す・住む」それぞれのメリット・デメリット
- 中野エリアの売却相場の目安
- どれを選ぶべきか、判断の軸となる考え方
- よくある相談パターンと中野での実例
動く前に、まずこの3つを確認してください
「売る」「貸す」「住む」を考える前に、確認しておかないと後から困ることがあります。
確認 01
相続登記(名義変更)は済んでいますか?
2024年4月から、相続登記は3年以内の義務になりました。名義が亡くなった方のままでは、売却も賃貸借契約も原則できません。まずここから動いてください。司法書士に相談するのが一番スムーズです。
確認 02
住宅ローンの残債はありますか?
ローンが残っている場合、売却代金で完済できるかどうかを確認する必要があります。残債が売却価格を上回る「オーバーローン」の場合は、対応策を先に考えないといけません。まず金融機関に残高証明を取り寄せてください。
確認 03
共有名義になっていませんか?
兄弟・姉妹で共同相続している場合、売却するには共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すれば売れません。賃貸に出す場合も同様です。まず相続関係者で話し合いの場を設けてください。
この3つが整っていれば、どの選択肢も動き出せます。逆に言えば、整っていないうちは「売る・貸す・住む」のどれを選んでも手続きが止まってしまいます。焦らず、一つずつ確認していきましょう。
「売る」を選んだ場合——中野の相場と手取りの現実
3つの選択肢の中で、最も「手続きがシンプル」なのが売却です。
ただ、「売ったお金が全部手元に残る」わけではありません。費用と税金を差し引いた手取りを先に把握しておいてほしいんです。
中野エリアの売却相場(2025年成約データ)
まず、どのくらいで売れるのかを確認しましょう。
| 駅名 | 成約中央値 | 成約件数 |
|---|---|---|
| 中野駅 | 7,500万円 | 120件 |
| 東中野駅 | 8,500万円 | 108件 |
| 中野坂上駅 | 6,200万円 | 95件 |
| 新中野駅 | 5,600万円 | 60件 |
| 方南町駅 | 6,500万円 | 129件 |
| 中野富士見町駅 | 4,900万円 | 62件 |
| 中野新橋駅 | 5,000万円 | 58件 |
※国土交通省「不動産取引価格情報」2025年成約データ。1R・1K除外。本データはすべての取引を網羅したものではありません。
各駅の詳細データを見る
売却にかかる費用・税金
手取り額を把握するために、差し引かれる主な費用を確認しておきましょう。
仲介手数料
売却価格×3%+6万円+税(上限)
印紙税
数千円〜数万円
抵当権抹消費用
1〜3万円程度
譲渡所得税
売却益がある場合のみ(翌年確定申告)
相続マンションの売却は「取得費加算の特例」が使えることも。相続税を払った場合、その一部を取得費に加算できる制度です。売却益が圧縮され、税負担が軽くなります。詳しくは税理士に確認してください。
売るメリット
- まとまった現金が手に入る
- 維持管理の手間・コストがなくなる
- 固定資産税・管理費の支払いが終わる
- 共有名義の場合、精算しやすい
売るデメリット
- 親の思い出が残る家を手放すことになる
- 売却益に税金がかかる場合がある
- 売れるまで数ヶ月かかることも
「貸す」を選んだ場合——家賃収入より先に考えること
「売らずに賃貸に出す」という選択肢も、もちろんあります。ただ、「家賃収入が入ってくる」という側面だけを見て決めると、後から「こんなはずじゃなかった」となりやすいんです。
貸すメリット
- 毎月家賃収入が得られる
- 資産として物件を持ち続けられる
- 将来「やっぱり売る」という選択もできる
- 親の家を手放さずに済む
貸すデメリット
- 空室になると収入がゼロになる
- 修繕・リフォーム費用が発生する
- 管理会社への手数料がかかる(家賃の5〜10%程度)
- 入居者トラブルのリスクがある
- 固定資産税・管理費は引き続き払い続ける
賃貸に出す前に確認しておきたいこと
- 旧耐震の物件は入居付けが難しいことも。1981年以前築の場合、耐震基準の関係で敬遠される入居者もいます。
- 修繕積立金の状況を確認。大規模修繕が近い場合、突発的な出費が発生します。
- 「定期借家契約」にするか検討を。将来また売りたくなったとき、普通借家契約では入居者にすぐ出てもらうことができません。
「住む」を選んだ場合——引越し前に確認すべきこと
「親が住んでいたマンションに自分が移り住む」という選択肢もあります。愛着がある場所、便利な立地——理由は人それぞれです。ただ、住む前に確認しておかないと後悔するポイントがいくつかあります。
確認 01
旧耐震物件ではないか
1981年以前築のマンションは「旧耐震基準」で建てられています。住み続けるなら、耐震診断の結果と補強の有無を必ず確認してください。管理組合に問い合わせれば教えてもらえます。
確認 02
修繕積立金は十分か
築年数が経ったマンションほど、大規模修繕が近い可能性があります。積立金が不足していると、一時金の徴収が発生することも。管理組合の議事録や長期修繕計画を確認してください。
確認 03
自分の住宅ローンとの兼ね合い
現在マイホームのローンを返済中の場合、もう一軒の不動産を保有することで税制上の影響が出ることがあります。また、相続した物件に住み替えることで、元の物件が空き家になる場合も対応が必要です。
住むメリット
- 新たな住居費用がかからない
- 親の思い出が残る場所に住み続けられる
- 中野の利便性をそのまま享受できる
住むデメリット
- 管理費・修繕積立金・固定資産税は継続して発生
- 物件の維持管理責任を引き継ぐ
- 元の住まいの処分問題が残る場合も
「売る・貸す・住む」——どれを選ぶかの判断軸
正直に言うと、この3択に「絶対の正解」はありません。でも、判断の軸はあります。
下の3つの質問に答えると、自分の状況に合った選択肢が見えてきます。
まとまったお金が今すぐ必要ですか?
→ 売却が最も確実です。貸しても家賃収入はじわじわとしか入ってきません。
毎月の収入として活用したいですか?
→ 賃貸が向いています。ただし空室・修繕リスクを理解したうえで判断を。
自分が中野エリアに住みたい・住み替えたいですか?
→ 住むが選択肢になります。物件の状態確認だけは必ずしてください。
共有名義で相続人が複数いますか?
→ 長期保有は意見の食い違いが起きやすいです。売却して現金で分ける方がトラブルを防ぎやすい傾向があります。
まだ全然決められていないですか?
→ それで全然大丈夫です。まずは無料査定だけ依頼して、売れる金額を把握してから考えても遅くありません。
中野で18年、よく聞く相談パターン
実際に寄せられた相談をもとに、よくある3つのパターンをご紹介します(個人が特定されないよう内容は一部変更しています)。
CASE 01
兄弟3人で共同相続。意見が割れてしまった
「売りたい」「貸したい」「住みたい」と3人が3人とも違う意見を持っていたケース。共有名義のままでは何もできないため、まず相続登記を行い、その後全員で改めて話し合いの場を設けました。結果的に売却して現金で3等分することに。「早く決めて良かった」という声をいただきました。
CASE 02
築38年の旧耐震。売れるか不安だった
「こんな古い物件、売れるのかな」と不安を抱えてご相談にいらっしゃいました。中野エリアには旧耐震でも成約しているケースが一定数あります。価格設定と買い手のターゲットを整理した結果、3ヶ月で成約。「査定だけでもしてみて良かった」とのことでした。
CASE 03
「とりあえず貸す」から始めたが、後悔した
「まだ売ると決めていないから」という理由で賃貸に出したものの、空室が続き、その間も管理費・修繕積立金・固定資産税が発生し続けたケース。最終的に売却されましたが、「最初から相場を確認してから決めれば良かった」とおっしゃっていました。
まとめ|焦らず、でも先送りもしないで
- まず「相続登記・ローン残債・共有名義」の3つを確認する
- 「売る」は手続きがシンプルで現金化しやすい。費用・税金も要確認
- 「貸す」は収入になる一方、空室・修繕リスクを理解してから判断を
- 「住む」は物件の状態(旧耐震・積立金)を必ず先に確認
- 共有名義なら、長期保有より早めの現金精算がトラブルを防ぎやすい
- 迷っているなら、まず査定だけでも。金額がわかれば判断しやすくなる
「まだ決めていない」は全然おかしくないです。ただ、先送りにし続けると維持コストだけが積み上がっていきます。
中野エリアのことなら、私たちが一緒に考えます。査定だけのご依頼でも、相談だけでも、気軽にお声がけください。
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よくある質問
相続登記はいつまでにしないといけませんか?
2024年4月から、相続登記は相続を知った日から3年以内に行うことが義務化されました。正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料が科される場合があります。早めに司法書士に相談することをおすすめします。
相続したマンションを売ると税金はどのくらいかかりますか?
売却益(譲渡所得)がある場合に税金がかかります。保有期間が5年超なら税率は約20%、5年以下なら約39%です(所得税・住民税合算の概算)。ただし、相続マンションには「取得費加算の特例」が使える場合があり、税負担が軽くなることも。詳しくは税理士にご相談ください。
共有名義になっていますが、一部だけ売れますか?
自分の持分だけを売ることは法律上可能ですが、現実的には難しいです。持分だけを買う方はほとんどいません。共有者全員の合意のもとで物件全体を売るのが一般的です。早めに相続人同士で話し合いの場を設けることをおすすめします。
旧耐震のマンションでも売れますか?
売れます。ただし、買い手が住宅ローンを使いにくいため、現金購入層が主なターゲットになり、価格は新耐震より下がりやすいです。中野エリアでも旧耐震の成約事例は一定数あります。まずは査定で現実的な価格を確認することをおすすめします。
「とりあえず貸す」はありですか?
選択肢の一つですが、注意が必要です。賃貸に出すと、入居者がいる間は売却が難しくなります(売れても価格が下がりやすい)。「将来売ることも考えている」なら、定期借家契約にしておくことをおすすめします。普通借家契約では、借主が希望すれば契約を更新し続けることができます。
まだ売ると決めていませんが、査定だけお願いできますか?
もちろんです。査定だけのご依頼、大歓迎です。「金額を知りたいだけ」「迷っている段階」という方が、実はいちばん多いんです。査定は無料ですし、売却のご依頼は一切義務ではありません。数字を知ってから、ゆっくり考えてください。